Interview to Naoko TakahashiUnited Airlines Guam Marathon
早朝スタートや気候などの理由で、簡単にゴールさせてくれない大会です。
それだけに、完走できたときの感動は計り知れません。
フルマラソンのスタートは午前3時。普段は寝ているような時間に走るのですが、他ではできない体験なので、思い出に残ります。周囲は真っ暗ですが、スタートラインでは華やかな催し物が行われたり、地元の若い女の子たちが仮装して応援してくれたりと、気分を盛り上げてくれます。
現役時代、私は週に一度、朝ご飯を食べる前に50km走る練習がありました。同じ50kmを昼に走れば、すごくラクに感じて走ることができるのですが、朝は体が動かないため普段より負荷が大きくかかります。鍛練期のような時期はそういう練習をしていました。
朝走るということはそれほど大変なので、ユナイテッド・グアムマラソンを完走できたら、日本のフルマラソンは全て完走できるという自信をつけることができます。
午前3時スタートとはいえ、午前5時スタートのホノルルマラソンより暑いのもグアムの特徴です。スタート前にもしっかりと水分補給をしておいてください。
走る前の準備として、
あらかじめコースのイメージをしておくことが大切です。
フルマラソンでは、スタート地点を最後尾の人が走り過ぎるまで約30秒ほど。4〜500m地点では周囲にかなりの余裕があり、ノンストレスで自由に走れる大会です。
スタートしておよそ600m地点で絶壁に見えるような急坂があります。この大きな坂では無理をしないようにしてください。前半で足が動かなくなってはいけないので、足を使わずしっかりと腕を振って走りましょう。そこを越えれば、下り坂で緩やかになるので、5km地点まで突破できます。
ここで私が大好きなオススメの景色があります。ちょうど海が見えてくる5km地点。真っ暗の中での海は怖いイメージがあるかもしれませんが、海の表面に映る月明かりの光がキラキラと輝きます。これがとても綺麗で、心に残る景色です。この時にしか見ることができませんので、ぜひご覧ください。
5km地点まで来ると、最初の5km、最後の5kmと比べると割と平坦なコースが続きます。
そんな5km〜10kmの間で必ず思うことがあります。今日は調子がいいな〜、いけるんじゃないか?と。これを私は悪魔の誘惑と呼んでいます。この誘惑に乗ってしまうと、20kmを過ぎた時点で足がパタッと動かなくなってしまいます。ハーフの人は13〜17kmの一番苦しい地点でそうなります。この5km〜10kmの悪魔の誘惑に乗らないでください。どれだけ調子がいいと思っても、抑えた走りに徹しましょう。
給水所は何箇所かありますので、なるべく取るようにしてください。とても暑いので、給水を後半にずらすと、喉が乾いたと思った瞬間には手足や足先はカラカラです。脱水症状を起こす恐れがありますので、最初から口をつけるだけでも給水するように心がけてください。9km地点は華やかな給水所となっており、地元の方々がハイテンションで応援してくれます。
ハーフマラソンの方は10km過ぎに折り返しますが、片側の二車線で折り返した人とまだ折り返してない人が走ることになりますので、ぶつからないように気をつけなければなりません。
フルマラソンの方は10kmの先はとても暗い道が続きますので、足元に気をつけてください。特に雨が降っていた場合は白い線の上は滑りやすいので注意しましょう。
15km以降になると後ろにも前にも人がいないというような状態になることもあります。暗い中で不安な気分になるかもしれませんが、道を独占して走るというのは中々ないことですので、堂々と走りましょう。また、静かな空間ではリズムを掴み、自分の走りを確認して立て直すことができます。
20km地点では、まず心が弱音を吐きます。まだあと半分以上もあるのか、やめたいけどやめられないなとモヤモヤする地点です。私もかつて小出監督の恐ろしいメニューから逃げ出したいと思ったときもありました。ですが、いざスタートするとこれまた意外と走れるんです。自分で限界を作っていただけなんだと気づきました。20km、まだまだ体を信じてください。行ける、行けると前向きに考えることができれば、自分の中で次へと進む力になります。
30kmになると、今度は本格的に足が動かなくなります。そのときどうするのか?足は動かなくとも、意外と腕は振れるんです。意識を足よりも腕に持っていきましょう。大きく速く振れば、必ず足も動きます。
40km地点を過ぎたら、ゴールに向けて笑顔の準備をしましょう。私は皆さんとハイタッチしたり、一緒にゴールをしたりします。最後まで走り切れば必ずどこかで会うことができます。
ゴール直後は海でクールダウン!
ユナイテッド・グアムマラソンでは、ゴールしてそのまま真っ直ぐ進むと海に入ることができます。熱い火照った体で海に入るとアイシングの代わりにもなり、体にもいい効果があります。ゴールしたら、思う存分海を満喫しましょう!ここでしかできない体験です。