フルマラソンにチャレンジするとき、気になるのがやはり食事。どんなことに気をつければいいの?と、心配になる方も多いはず。そこで今回は、アスリート・フードマイスターの郡山 総平さんに大会当日や普段の食事に関するポイントを教えてもらいました。
郡山 総平さん アスリート・フードマイスターの資格を持ち、逗子で自身の店「エイド・キッチン」を経営。トレラン、サーフィンなどアウトドアの趣味が高じ、体に良い食事を提供する、エイドステーションのような店を作りたいと創業。店にはヘルシーな食事を求めてランナーなどのスポーツマンが多く集まり、ランニングなどイベントも多く開催。逗子市食生活改善推進委員。食育マイスター。
https://www.facebook.com/AID.KITCHEN.ZUSHI/
アスリート・フードマイスターで、ウルトラランナーの郡山です。今回はフルマラソンを完走するための補給のポイントと、食事の摂り方をお伝えします。ぜひ、大会当日の戦略にお役立てください。
フルマラソンの消費カロリー
体重60kgのランナーが3時間でフルマラソンを走った場合、消費カロリーは2536kcalになります※。メインエネルギーとなる糖質は、成人男性では1500~2000kcalを体内に蓄えてると言われています。
当然ながらフルマラソンでは、体内にあるエネルギーだけでは全く足りませんが、ユナイテッド・グアムマラソンはスタート時間が早いので、しっかり朝ごはんを食べるのも難しいかもしれません。2kmごとのエイドステーションを効率よく活用して、補給しましょう。
「一度に大量」の補給は、トラブルの元
走りながら身体が吸収できるカロリーの上限値は1分当たり4kcalと言われ、1時間あたりおよそ240kcal程度です。水分も一度に胃が吸収できる量は200~250ccと言われています(1時間あたり800cc)。
そこで注意したいのは、エイドステーションでの水のがぶ飲み!
暑いからといって飲み過ぎてしまうと、走っている間ずっとお腹がチャポチャポの状態に。これは水分の過剰摂取による脱水症状です。
また、水の温度は10℃位が吸収もベスト。お腹の弱い人は、常温の水を自分で用意するなど工夫をしてみましょう。水の摂り方に少し気をつかうだけでも、胃腸トラブルのリスクを減らすことができます。
糖質補給は30~40分おき、水分補給は15~20分おきを目安にしてください。
咀嚼で吸収力UP
エナジージェルや固形物を、あまり噛まずにそのまま飲み込んでいませんか?
咀嚼回数が増えると唾液の分泌が多くなります。唾液に含まれる消化酵素は吸収を助けるため、栄養やカロリーの吸収率が上がります。
さらに、顎を動かす事は脳の活性化を促すので、レース中の状況判断にも好影響を与えるというメリットもあるんです。補給食は、よく噛んで!
水と電解質
高温多湿のグアムでは、汗によって大量の水分とナトリウムが排出されます。スポーツドリンクのナトリウム濃度は汗より低いものが多く、汗で排出されるナトリウムを補う事はできません。しかし塩を単体で摂取すると、胃粘膜を荒らしてしまいます。
そこでおススメなのが、塩タブレットや電解質パウダー。ジップロック等の小さな袋に入れて、ランニングポーチやパンツのポケットに忍ばせておけば、自分が必要なタイミングで補給することができます。「完走のお守り」として、ぜひ持っておいてください。
見事完走!ビールで乾杯!の前に気をつけたいこと
フルマラソンを走った直後の身体はエネルギー不足で、脱水と空腹に近い状態です。このとき一気にアルコールを摂取すると、血中アルコール度数が高くなり、痛めた筋肉を修復するために働く肝臓が、アルコールの分解を優先してしまいます。
リカバリーのためにも、マラソン直後は消化吸収のよいバナナやゼリー状の補給食を摂取し、身体が落ち着いたらおにぎり等の糖質(炭水化物)を摂りましょう。具材もツナやシャケなどの、たんぱく質が入っているものがオススメです。
マラソン後の食事は失われた栄養素を補給し、傷ついた筋肉に栄養を与える事で、早い回復を促します。アルコールを楽しむ場合は、摂取前に必ず十分な水分補給をしてから飲みましょう。酒量は適量におさえ、食事と一緒に楽しむことで体のリカバリーを優先してあげれば、残りのグアム滞在もENJOYできますね。
走るための、普段の食事
フルマラソンなどの持久系スポーツはトレーニングもレースも長時間になるため、糖質・脂質・たんぱく質などをバランスよく、しっかりと摂ることが大切です。
糖質制限がブームですが、ランナーはでんぷん質の形でしっかりと摂りましょう。「脂質=悪」は過去の話。オメガ3は亜麻仁油やエゴマ油に、EPA・DHAは青魚に多く含まれているので、良質の油に変えることで体も変わります。
また、持久系の競技は免疫力を落とすため、「腸」も重要です。乳酸菌や食物繊維・発酵食品などで腸の機能を高め、日頃から免疫力を高めましょう。
僕は調味料として、醤油麹・塩麹をお店の料理にも使っています。普段使っている醤油と塩を置き換えるだけだし、自分でも簡単に作れるのでおススメです。
ユナイテッド・グアムマラソンを走った後も、引き続き健康に、ランニングライフを楽しんでくださいね!