メキシコのアートを象徴する出来事として、メキシコ革命下に興った壁画運動がありました。民族のアイデンティティや歴史、文化、自然などを、誰もが目にすることができる壁画で表現するという運動であり、今もメキシコシティの歴史的な建物に、多くの壁画作品を見ることができます。そんなメキシコのアートは、メキシコの自然が育んだ鮮やかな色彩感覚と、ヨーロッパの技法が融合したものが多くあります。それは建築にも表れ、デザインホテルなどの、ビビッドかつ洗練されたインテリアが私たちを楽しませてくれます。
18世紀の建物の中にある
21世紀のミュージアム
世界で初めて経済をもっと親しみやすくするために作られた博物館で、メキシコと世界の金融の関わりや最新リサイクル技術などを紹介しています。もともとは修道院だった建物がリフォームされ、コロニアル建築とモダンなメキシコ建築が融合し、新しく生まれ変わりました。楽しみながら学べる博物館を目標としている館内の展示物は、どれも知的好奇心を刺激する面白いものばかりです。また、この博物館のもう一つの見どころはここでしか買えないオリジナルグッズを扱うショップで、館内のデザイン作品をモチーフにした雑貨や文房具、おしゃれなアクセサリー、修道院のタイルの模様を使ったタラベラ焼きなどが販売されています。
INFORMATION
住所: Calle de Tacuba 17, Cuauhtémoc, Centro Histórico, CDMXメキシコの女流画家が暮らした青い家
コバルトブルーで塗られた壁が印象的なこの博物館は、メキシコを代表する女流画家、フリーダ・カーロが生涯暮らした家です。1929年~1954年の間は、フリーダと同じく画家であった夫のディエゴ・リベラとともに暮らしており、この家には彼女の作品と深い関係性があると言われています。庭の色彩からはフリーダの世界観を感じることができ、さらに家の中にあるアトリエ、食堂、寝室などから2人の生活を垣間見ることができます。また、有名な「ビバ・ラ・ビダ」などの絵画作品が展示されています。土・日はチケット購入だけで30分以上並ぶことがあり、時間に余裕を持って行くか、事前にウェブサイト(現在はスペイン語のみ)でチケットを買うことをおすすめします。
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住所:Londres 247, Del Carmen, Coyoacán, CDMXタイムスリップしてメキシコの
美術に触れてみよう
16世紀後半から20世紀前半までのメキシコの美術品が展示されています。アートや美術史に興味のある方にはもちろん、美しい建築の中で落ち着いた雰囲気を楽しみたい方にもおすすめできる場所です。メキシコ絵画の巨匠ディエゴ・リベラ、ホセ・クレメンテ・オロスコ、ダビッド・アルファロ・シケイロスなどの作品を観ることができ、定期的に海外からの絵画コレクションも展示されます。また美術館のギフトショップでは、民芸品マーケットなどで売られているものとは一味違うモダンなデザイングッズが売られており、美術館の魅力のひとつとなっています。
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住所:Calle Tacuba 8, Cuauhtémoc, Centro Histórico, CDMXラテンアメリカの歩みがまとめて分かる
メキシコ各地の遺跡から出土した貴重な石造や宝物などが展示されている博物館です。建物はメキシコの建築家ペドロ・ラミレス・バスケスによって設計され、中庭にはジャガーの刻まれた神話の樹を見ることができます。展示室は23部屋に分かれ、3000年以上前に繁栄したオルメカ文明を始め、マヤ文明、トルテカ文明、アステカ文明などの展示室があります。なかでも注目はアステカの部屋にある「Piedra de sol/ピエドラ・デ・ソル(アステカ暦)」でしょう。展示されているのはメキシコシティのソカロで発見されたもので、15世紀のものとされており、重さはなんと25トンもあります。また、他に、テオティカワンのピラミッドにあった石像や、マヤの地下王墓を復元したものも印象的です。