グアダラハラはメキシコ第二の都市であり、その美しさは“メキシコのフィレンツェ”、“西部の真珠”とも言われます。1530年にスペイン人が入植し、あっという間に人口が増えました。メキシコを代表する楽団様式であるマリアッチ発祥の地としても知られ、近郊の村には蒸留酒テキーラの産地があります。また画家のホセ・クレメンテ・オロスコなど、芸術家も多く輩出してきました。まさにメキシコのカルチャーがぎゅっと詰まった街なのです。
さまざまな建築様式が
見られる豪華な大聖堂
1561年から約60年をかけて造られた、グアダラハラ最古といわれる大聖堂です。突き抜ける青空に届くように双塔がそびえるゴージャスな教会ですが、その建築にはビザンチン様式をはじめトスカーナ、アラビアなどさまざまな建築様式を見ることができます。また近世の代表的な宗教画家であるムリーリョの巨大な絵も掲げられています。夕暮れ時にはライトアップされ、さらに荘厳さを漂わせます。
この村で作られた蒸留酒だけを
テキーラという
メキシコの中部にあるサンティアゴ・デ・テキーラといえば、世界四大蒸留酒であるテキーラの産地です。リュウゼツランで作られた蒸留酒をメスカルといいますが、その中でサンティアゴ・デ・テキーラと周辺地域で作られたものをテキーラと呼びます。最初のテキーラ工場は1600年に建てられました。工場ではテキーラ造りのプロセスを見学することができます。また国立テキーラ博物館もあり、テキーラの世界をたっぷりと感じることができます。「テキーラの古い産業施設群とリュウゼツランの景観」は世界遺産に登録されています。
恵まれない人々を救った救済施設
ハリスコ州グアダハラにあるオスピシオ・カバーニャスは、スペイン語圏アメリカの中で、最も古く規模の大きい救済施設です。貧しい人、身寄りのない人など恵まれない人のために建設されたといい、病院や孤児院、救貧院などを統合した複合施設の役割を持っていました。マヌエル・トルサーが設計に携わり、ゴシック様式や新古典様式が取り入れられた建物は一見の価値ありです。1997年に世界遺産に登録されました。