「ベジャス・アルテス宮殿」 © Mexico Tourism Board: Photo/Ricardo Espinosa-reo

古代からの歴史の層をひとつひとつ訪ね行く
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幾重にも重なった歴史を紐解いていくのは、メキシコシティ観光の面白さのひとつです。1都市だけで5つもの世界遺産を有しており、メキシコシティは各時代の歴史的遺産へのアクセスがとてもしやすい都市です。ピラミッドがある古代遺跡から、アステカ王国時代を彷彿とさせる運河の町へ。そしてスペイン領時代に建てられたコロニアルな建築物を眺め、さらに広場(ソカロ)や大学のキャンパスで市民が誇る独立・革命の歴史に触れてはいかがでしょう?そんな歴史の重なりを感じると今のメキシコシティの姿がもっと、色鮮やかに感じてきます。

メキシコの優れた芸術作品が数々楽しめる

Palacio de Bellas Artes
ベジャス・アルテス宮殿

Palacio de Bellas Artes ベジャス・アルテス宮殿の画像

「パリのオペラ座に匹敵する劇場を!」と、当時の大統領であったポルフィリオ・ディアス氏の命で造られたのが、この「国立芸術宮殿(ベジャス・アルテス宮殿)」です。1904年にプロジェクトが始まりましたが、メキシコ革命などの影響で完成までに30年を要しました。外観はアールヌーボー様式ですが、内部はアールデコに統一されています。そして壁画界の三大巨匠であるディエゴ・リベラ、ホセ・クレメンテ・オロスコ、ダビッド・アルファロ・シケイロスの作品がここの壁に展示してあります。ほかにもメキシコを代表する女流画家であるフリーダ・カーロなどの作品や、ティファニー家の作ったリュクスなカーテンなどを見ることができます。民族舞踊「バレエ・フォルクロリコ・デ・メキシコ」の本拠地でもありますが、他にも民族舞踊やクラシック音楽などのプログラムも上演されます。オーケストラのコンサートもリーズナブルに見られるということで人気を呼んでいます。

INFORMATION

住所:Av. Juárez, Centro Histórico, CDMX
電話:(55) 5512 2593
営業時間:火〜日 10:00〜17:00
定休日:月曜日
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メキシコの歴史が凝縮した街の心臓部

Zócalo ソカロ

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Zócalo ソカロの画像

©メキシコ観光局

ソカロはメキシコシティの心臓部とも言える広場です。約57,600㎡もの敷地を持ち、メキシコシティとなる前のアステカ文明の都であったテノチティトゥランの時代には、この地にアステカの宮殿がありました。スペイン領時代以降も街の中心地であり、要塞が建設されました。その要塞が今も広場の東側にある「国立宮殿」です。また北側にはアメリカ大陸最大のカトリック大聖堂「メトロポリタン大聖堂」がそびえ、広場中央には巨大なメキシコ国旗がはためいています。アステカからスペイン領時代、そして独立以降の歴史が凝縮されたようなソカロですが、今では大統領の演説や、コンサート、イベント、パフォーマンスも行われ、市民にとっては憩いの場所となっています。なかでも独立記念日ともなれば約50万人もの人で広場は埋め尽くされます。 ちなみにメキシコ国旗は朝に掲揚と夕方に降納のセレモニーが行われ、兵隊の行進などを見ることができます。

INFORMATION

住所:Plaza de la Constitución S/N, Centro, Cuauhtémoc, CDMX
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民族の歴史をつづった壁画も圧巻

Palacio Nacional 国立宮殿

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Palacio Nacional 国立宮殿の画像

ソカロ広場の東側にあるメキシコ・コロニアル様式の宮殿です。スペインのエルナン・コルテスが自身の宮殿として建設を開始したのが1523年のこと。その後1692年に焼失しますが再建され、メキシコの独立以降は大統領を中心とした政治家の集まる場となりました。現在はメキシコの大統領が政務を執り行う国務室、連邦財務省などが置かれています。一部は一般にも公開されているので、ぜひ見学したいところです。噴水のあるスペイン風のパティオや、ディエゴ・リベラによるメキシコの歴史を描いた階段室や回廊の壁画、そしてアーチが優雅な回廊などを見ることができます。毎年9月15日の独立記念日前夜には大統領が自由の鐘を鳴らしたのち、バルコニーに姿を現すのが恒例となっています。

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住所:Plaza de la Constitución S/N, Centro, Cuauhtémoc, CDMX
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都市の真ん中に出現した
アステカ時代の遺跡

Templo Mayor テンプロ・マヨール

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Templo Mayor テンプロ・マヨールの画像

メキシコシティはアステカ王国時代にテノチティトランという名で呼ばれ、テスココ湖に浮かぶ水上都市でした。しかし16世紀に入ると湖は埋め立てられ、かつてあったアステカの神殿に代わってメキシコ・コロニアル様式の宮殿(現在の国立宮殿)などが造られました。 そのため、アステカ王国は歴史の彼方へと押しやられたかに思われましたが、1978年に電気工事の途中、ソカロの「メトロポリタン大聖堂」の傍から中央神殿の一部「テンプロ・マヨール遺跡」が発見されました。現存するのは建物の基盤部分ですが、戦いの神であるウィツィロポチトリの像、雨の神トラロックの像、頭蓋骨の絵で覆われた祭壇ツォンパントリなどが見られます。その規模などからテンプロ・マヨールはアステカの宗教儀礼の中心であったと考えられています。すぐ近くには博物館があり、遺構の他、水上都市だった時代の模型などが展示されています。

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住所:Seminario 8, Centro Histórico, Cuauhtémoc,CDMX
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世界遺産にも指定されている巨大な教会

Catedral Metropolitana
メトロポリタン大聖堂

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Catedral Metropolitana メトロポリタン大聖堂の画像

ソカロ広場の北側にある、メキシカンバロック様式などが見られる大聖堂です。この場所にはもともとアステカ王国の神殿があり、この大聖堂はその神殿に使われていた石材の一部を使って建てられています。建設には200年以上もの歳月が費やされており、重厚な石造りの外観もさることながら、内部の荘厳な装飾は必見です。

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住所:Plaza de la Constitución S/N, Centro, Cuauhtémoc, CDMX
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オープンなキャンパスで巨大壁画作品に出合う

Universidad Nacional Autónoma de México
メキシコ国立自治大学

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Universidad Nacional Autónoma de México メキシコ国立自治大学の画像

中央図書館 ©Mexico Tourism Board: Photo/Ricardo Espinosa-reo

ラテンアメリカ最大規模を誇る大学である「メキシコ国立自治大学(UNAM)」の歴史は古く、創設されたのは1551年のこと。キャンパスの広さは約700万㎡もあり、約40の学部や研究所、中央図書館、博物館の他、カフェや劇場、オリンピック・スタジアムも含んでいます。また、3人のノーベル受賞者を輩出したことでも知られています。 キャンパス内は誰でも自由に見学ができますが、なかでも見どころは、建物の4面に巨大な壁画が描かれた「中央図書館」です。かつてメキシコ革命下の1920年代~30年代にはメキシコのアイデンティティや歴史を伝えようとする「メキシコ壁画運動」がありましたが、この壁画もその一環として描かれたもの。アステカ時代からスペイン領時代、宇宙や化学、政治などモチーフにした巨大な壁画は一見の価値ありです。メインキャンパスの「シウダー・ウニベルシタリア」は2007年にユネスコの世界遺産に登録されています。

INFORMATION

電話番号: (55) 5622 1332
URLwww.unam.mx
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巨大なピラミッドがそびえる古代都市

Teotihuacan テオティワカン

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Teotihuacan テオティワカンの画像

©Mexico Tourism Board: Photo/Ricardo Espinosa-reo

都会のメキシコシティから少し離れ古代の歴史に触れに行くのはいかがでしょうか?テオティワカンはメキシコシティから50㎞北にある紀元前の古代遺跡です。紀元前にメソアメリカのテオティワカン文明が栄えましたが、その中心的宗教都市だった場所がテオティカワンです。ちなみにテオティカワンとは、後にこの遺跡を発見したアステカの人々の言葉で「神々の座所」という意味です。 都市の中心には南北に走る「死者の大通り」があり、世界で3番目に大きなピラミッドである「太陽のピラミッド」や「ケツァルコアトル神殿」そして「月のピラミッド」などがあります。最盛期には20万人ほどの人口があり、副葬品などから古代都市マヤとも交易があったと考えられ、突然、衰退し都市は放棄されています。大都市がなぜ姿を消したのか……。まさに古代の謎と言えます。

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世界遺産にも登録された
メキシコのベネチア

Xochimilco ソチミルコ

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Xochimilco ソチミルコの画像

メキシコシティの郊外にあるソチミルコは「メキシコシティ歴史地区とソチミルコ」として世界遺産に登録されています。メキシコシティが水上都市だった時代の名残の運河が続き、「メキシコのベネチア」と呼ばれています。ソチミルコとは先住民族の言葉で「花で溢れる場所」という意味を持ち、浮き畑では花栽培が行われ、運河にはトラヒネラというカラフルな小舟が走る長閑な場所です。その小舟の上では行商が行われていたり、マリアッチという楽団の演奏を楽しむこともできます。そして旅行者もまたトラヒネラに乗って、名所を巡ることができるのです。 トラヒネラで巡る遊覧コースは複数あり、手軽に観光ルートを1時間程度で巡ってくれるものから、5時間前後かけてじっくりと見て回ることができるルートも。舟との交渉次第では、近年オカルトマニアに人気の、不気味な人形で埋め尽くされた「人形の島」へも行くことも可能です。

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